数ある習い事のなかで、長年にわたって人気のある 「習字」
子どもの習い事というイメージが強いですが、
最近では大人も習っている人が多いですね。
携帯電話やパソコンの普及で、 文字を書くことが少なくなっている現代だからこそ、
あえて 字を書くことを学びたい、学ばせたいと考える人が多いんだそうです。
真っ白い紙の前で、ゆっくりと集中して文字を書く。
いいですね~。 こうして見ていると自分も書いてみたくなりますね。
いざ、子どもなり自分なり、習字に通おうと考えて まずすることが、
道具を揃えることですよね。
それで、一番みなさんが悩むのが筆選びではないでしょうか。
種類もたくさんあるし、どんな筆を選んだらいいのか?
わからない方がたくさんいると思います。
初心者に適した筆の種類と特徴は?
筆に使われている毛は、主に動物の毛が使われています。
動物の毛の種類など、それぞれに異なる特徴があり分類され、
筆の種類は大きく3つに分かれます。
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●羊毛筆●(ようもうひつ)
羊毛といっても羊ではなく、中国のヤギの毛でできた筆です。
とても柔らかいので、紙に押し付けると毛が元に戻りにくく、
曲がった毛先を自分で元に戻しながら書かなくてはいけないので
扱うには練習を重ねないと難しいようです。
筆の多くが「白い毛」、というのが特徴です。
●剛毛筆●(ごうもうひつ)
馬や狸、イタチなどの毛で作られた筆です。
硬い毛のため跳ね返る力が強く、墨の含みも良くないので、
すぐに字がかすれてしまい、こちらの種類も練習を重ねないと 難しいようです。
かすれを活かした書に向く筆です。
必ずしもではありませんが、「茶色い毛」が特徴です。
●兼毫筆●(けんごうひつ)
馬の毛と狸の毛、ヤギの毛を混ぜた筆です。
つまり、羊毛筆と剛毛筆を混ぜた筆になります。
それぞれの毛の特徴を生かして混ぜた毛は適度な硬さで、
紙に押し付けても毛が元に戻りやすいことから、
兼毫筆が初心者には扱いやすい筆 だと言われています。
馬や狸の「茶色い毛」を、ヤギの「白い毛」で覆ってあるような 筆が特徴です。
筆のサイズは何を基準に選ぶの?
初心者に適した筆の毛の種類がわかったところで、
他にもう一点よくわからないと言われるのが筆のサイズです。
筆には「○号」というサイズ、すなわち、太さの規格があります。
この太さは、 筆を持つ部分の軸の直径になります。
(メーカーによって多少の誤差はあります)
ここでまた難しい書道用語が出てきました。
紙のサイズを表す用語なんですが、 「半紙」と「半切」ってなんでしょう・・・。
この紙のサイズを理解すると、より、
適した筆の選び方が わかるようになりますので簡単に説明させて頂きますね。
紙のサイズ 半紙、半切とは?
●半紙●
「半紙」は習字の授業などで使われる、お馴染みの大きさの紙です。
下にお手本がありますが、 上の表の書きやすい文字の大きさを見てみると、
右のお手本、半紙に4字書くのであれば3号か4号の筆。
が適している、ということになります。
左右比べてみると、字の太さが違うのがわかりますよね。
字が大きければ太い筆、字がちいさければ細い筆、
書く字数によって、適した太さの筆で書いたほうが良いわけです。
●半切(はんせつ)●
半切(はんせつ)は、書初め用紙のことです。
お正月などによく書かれるお馴染みの書き初め用紙ですが、
下記の手本のような書き方をする場合に、
その行数にあった筆の 号数を選ぶと良い、ということです。
小学生の習字の例でいきますと、一般的に
小学校2年生は、半紙に3字書くことが多いので兼毫筆の3号
小学校3年生以上は、半紙に4字書くことが多いので兼毫筆の3~4号
が適した筆の太さと言われています。
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筆の価格について
最後に悩むのが、筆の価格ではないでしょうか。
書道の筆は、
1本数百円のものから何万円もするようなものまであります。
初心者であれば、1,000~2,000円台 のもので十分ではないかと思います。
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高価なものはもちろん質も素晴らしいものかもしれませんが、
その筆でいきなり上手な字を書けるかといえばそうでもありません。
数百円のような筆ですと、毛の質が人工のナイロン素材のものが多く、
一度毛先が曲がったような跡がついてしまうと、元に戻らないような
あまり質の良いものではありませんのでおススメできません。
書道の上級者の人でも、愛用している筆は2,000円のもの、
という話も聞いたことがあります。
筆は消耗品ですし、初心者ですと筆を悪くしやすいので、
手ごろな値段のもので十分かと思います。
上達していくうちに、求めている筆も変化していくと思います!
初めて習字の道具を買うとなると、セットになっているものが便利ですが、
セットに含まれる筆が、
初心者に向いた筆なのか是非確かめてみてください。