たとえば、古いガラクタの中から、たまたま偶然、貴重なお宝が
出てきた場合、人はそれを「レアもの」と呼んだりしますよね。
希少性が高いとか、とても珍しいとか、そういった場合に
使われるのが「レア」という言葉なんですが、最近、
レアアース(rare earth)
という言葉を良く耳にするようになりましたね。
単純に考えると「希少な大地?」「生(なま)地球?」と言う
意味に取れなくもありませんが、日本語で一番近い表現は
「希土類(きどるい)」となります。
希土類・・・と言われても、なんだかピンとこないわけですが、
■そもそも、レアアース(希土類)って何なの?
学生の頃「化学」の授業がありましたよね?
で、化学と言えば、すぐに思い浮かぶのが「元素記号」とか
「元素周期表」だと思うんです。
H(水素)、He(ヘリウム)、Li(リチウム)・・・といった順番の元素を
「すいへい(水兵)りーべ ぼく(僕)の船(ふね)・・」と、
リズミカルに覚えたりしたものです。
レアアース(希土類)とは、元素一覧の中にある、
これら17元素の総称ということになります。
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また、レアアースと共に「レアメタル」という言葉も耳にする
ことがあると思います。
■レアメタルとレアアースの違いとは?
レアメタルは読んで字のごとし、「希少な金属」を意味する言葉です。
つまり、学術的用語では無く、数が少ないという単純な理由から、
経済産業省が、重要な元素を独自に「レアメタル」と呼んでいます。
実は、レアアースは、以下の表で記したように
「レアメタルの一部に含まれた元素」 になります。
なので、レアアースやレアメタルは、基本的に同じものと考えて良いでしょう。
■レアアースの恩恵と今後の未来
レアアースは、私たちの身の回りに広く使用されていて
パソコンやスマートフォン(携帯)、液晶パネルやバッテリーなど、
普段、何げなく利用しているものすべてに使用されている素材です。
つまり、現代社会で、便利かつ重要と感じる製品には、ほぼ全て
レアメタル、レアアースが利用されていますので、今や、
これらを抜きにしたモノづくりは、考えられなかったりします。
今後、ますます便利な製品を生産したり、高性能・高品質で
壊れにくい製品を作っていくためには、さらにレアアースが
必要となっていきます。
■レアアースにおける脱中国依存とリサイクル技術
もともと埋蔵量が少なく、これまで、輸入のほぼすべてを中国に
頼っていましたから、レアアースの輸出制限に関しては、
一時期、大きなダメージを受けた日本ですが、
脱中国依存をめざし、現在は大手企業各社がレアアースの
リサイクル(再生)技術に日夜努力しています。
限りある地球の資源という意味合いからすれば、政治的な絡みも
含め、あらゆる意味で、レアアースに頼らない、新しい技術革新
を期待したいところです。
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