景気の話に絡んで、ことあるごとに耳にする言葉に
「リーマンショック(Lehman Shock)」
というものがあります。
耳では聞きなれていたりしますが、
一体、どういう事件だったのか?
数年経過した今でも、リーマンショックの話は風化することなく
未だに、語られ続けているわけですが、事件の全容について
今一度おさらいしていみたいと思います。
リーマンショックのリーマンとは?
日本人は、サラリーマンのことを「リーマン」と略したりしますが、
それとは無関係。「リーマンショック」は、かつて、アメリカで栄華
を誇ったリーマン・ブラザーズ証券会社のことを指しています。
通常、証券会社というのは、顧客の資産を預かり、株の売り買い
における仲介を担って、その運用手数料を収益とするビジネスだった
りするわけですが、リーマンは住宅ローン債権を扱っていました。
アメリカの投資銀行として業界TOP4に入っていたリーマンブラザ
ースですが、サブプライム問題などによって身動きが取れなくなり、
2008年9月15日に破綻(はたん)しました。
サブプライムローンによる債権の証券化、流動化
リーマンショックを語る上で、外せないのが「サブプライムローン」
というワードです。プライムの意味は「極上」とか「最高位」など
上位を示す言葉ですが、サブプライムは「貧困」を意味します。
つまり、低所得者というか、貧しい人々に対する住宅ローンという
意味となるわけで、そういった人たちに貸し付けること自体、容易
に顛末が想像できるんですが、何故か債券商品にしてしまったのです。
一括払いで家が買えない人々であっても、分割払いなら払えるだろ
う。ローンを組んで家が買えるのだから、その代わり金利を高めに
設定しよう。それにより貸し付けた銀行側が儲かるというシステム。
証券会社は、各銀行が持つ債権を買い取り、独自にアレンジした後、
高金利配当の魅力的な商品として、サブプライムローン債権を
投資家たちに売り出すことで、さらに儲けようとしたわけです。
しかし、元々所得の低い人たちが家を持つこと自体、無理がある
わけで、最初の3年は低金利設定されているものの、4年目以降は
一気に返済金利が跳ね上げるので、案の定、焦げ付きはじめました。
破綻、そして、終焉
インターネットのめざましい普及により、誰でも気軽に売買できる
債権の証券化、及び、流動化によって、取引は一段と流通性が高ま
り、実勢を超え、世界を巻き込みながら加速していったわけですが
地価高騰と景気向上を当てにしながら、皮算用でローンを組んで
いたサブプライムな人たちは、予想だにしなかった急激な地価下落
と不景気により、大規模な返済不能状態に陥って家を手放しました。
日本であれば、家を手放しても、ローン返済の義務が残りますが
アメリカの場合は、手放した時点から返済義務が無くなるため、
回収不能となった債権によりリーマンブラザースの経営は完全にマヒ。
ヘッジファンドの損失、政府支援機関における優先株の損失など、
サブプライム問題以外にもいろんな問題が重なり最終的にアメリカ
をはじめてとする世界中を恐慌に巻き込んで破綻したのです。
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リーマンショック再び!?懸念される韓国経済
一説には、リーマンの援助を名乗りでていた韓国が土壇場で
キャンセルしたことにより、唯一、再生の頼みの綱が途切れ
破綻に追いやられたという話もあるわけですが、
今、その韓国の経済状況が、リーマンショック規模の危機的状態
にあるということで、今後、日本と世界の経済にどのような影響が
及ぶのか注目しておく必要があります。